ken-togo’s blog

勤務先とは関係のない個人の意見を述べたいと思います。そういう意見もあるんだな、と思っていただければ幸いです。

ガラパゴス日本と新しい日本(3)

前回は日本に住んでいる人を、「今までの世の中がこのまま続くと考えて生活している人」と、「新しい情報を取り入れて絶えず準備して生活している人」の2つに分けてみましたが、今回は「自分の意見を持たない人」と「自分の意見を持つ人」の2つに分けて考えてみたいと思います。

私は大学の教員ですが、ゼミや授業で「君はどう思う?」と尋ねたときに、「私は〇〇だと思います。」ってすぐに返事が返ってくる人は少ないというのが実感です。

これは高校までの日本の教育に原因があるような気がしています。私が小学校~高校に通っていたのは、もう半世紀近く前なので今は違うかもしれませんが、学校で「君はどう思う?」って尋ねられたことは少ない気がします。

「君はどう思う?」って小さいころから尋ねられていたら、「私は〇〇だと思います。」ってすぐに答えられると思うんですよね。

「私は〇〇だと思います。」と言われたら、「ああ、そうなんだ。」で終らずに、「どうしてそう思うの?」と尋ねてあげると更に良い気がしますね。答えた人は、どうして自分がそう思うのか、「考え」なければならないですから。

実は私はゼミで野矢茂樹先生の『論理トレーニング』(1997/11/1、産業図書)という本を、20年以上使用し続けているんですが、まさにこのやりとり「君はどう思う?」→「私は〇〇だと思います。」→「どうしてそう思うの?」で、論理的な思考のトレーニングが出来るんですよね。

私のゼミ生には「経済学を理解することも世の中で生きていく上で助けになるけど、一番助けになるのは「論理的思考」が出来ることだから」と言い続けて20年です、笑。

自分の意見を持つことが出来ないと、「他人と同じことをしていれば安心」ってなるんじゃないでしょうか?それって結構危険なことだと思うんですが。